秋吉前代表の遺志を受け継ぎ新たなる第一歩
(第19回国民文化祭ふくおか2004 きそいあい むつみあうアジアの美)
日本委員会主管により5回目の開催となる第19回アジア国際美術展は、第19回アジア国民文化祭・ふくおか2004事業の一環として、平成16年10月30日から11月14日迄、福岡アジア美術館および九州産業大学美術館で開催し、盛況のうちに無事終了致しました。
アジア国際美術展は、1985年以来、アジアの美術家たちが自主的に、相集い、連携協力して每年アジア各地で開催しているもので、今回の第19回展には12力国・地域からそれぞれ第一線で活躍している作家が230人・231点出品し、73名の美術家、美術教授、批評家、美術館長等が来日し、3日間の関連行事を通し交流を深めました。
会期中、アートフォーラ厶を開き、5ケ国•地域のパネラーの発表を基にアジア美術の現状と今後の展望について考察し、討論致しました。また、アジア美術家連盟会員および関係者が指導している「明日を担うアジアの子ども作品展」を開催し、アクロス福岡交流ギャラリーとホワイエに352点展示致しました。
皇太子殿下のご視察(行啓)をたまわり、テレビ、新聞等でも多くの報道がなされ、展覧会見学者は述べ13,000人にも達し、大変好評のうちに終了することができました。また展覧会終了後、各国の画集を80校あまりの小中学校に寄贈することができました。児童、生徒の皆さんが美術を通して、アジアの国々を理解し、国際交流の一助になれば有意義なことと考えます。主催を賜りました文化庁、福岡県、福岡県教育委員会、福岡市、福岡市教育委員会、福岡市・福岡県の国民文化祭実行委員会、またご支援、ご協力を賜りました福岡アジア美術館、九州産業大学、アジア美術家連盟各国委員会、推薦出品者各位に対し、心から御礼申し上げます。更に長年にわたり、ご助成を賜っております福岡文化財団、またご支援を賜りました企業の皆様に対して重ねて篤く御礼申し上げます。
また、柳景埰韓国委員会代表と共にアジア国際美術展を創立し、今日の隆盛まで導いてまいりました秋吉資夫日本委員会前代表が開催3ヶ月前の昨年8月に急逝されました。今回の展覧会が成功裏に終了することができましたのは、秋吉前代表の長年にわたるご尽力と全力を傾けた準備があったからこそであり、心から御礼申し上げます。更に、長い間、運営委員として会の発展にご尽力をたまわり、今回のフォーラ厶を成功に導いた今泉憲治フォーラム責任者が今年3月に急逝されました。謹んでお二人のご冥福をお祈りすると共に、これまでの会へご功績に対し、心から敬意を表すると共に篤く感謝申し上げます。
今年11月第20回アジア国際美術展は、フィリピンのマニラ市アヤラ美術館で開催されることになりました。この展覧会を通して、アジアの美術家の交流の輪を広げると共に、アジア各国・地域の文化の固有性と伝統について相互理解を深め、清新にして豊かな現代アジア美術の創造と発展に寄与していきたいと考えます。
アジア美術家連盟日本委員会代表 宇田川 宣人