小磯良平教授からの第1回個展案内状の推薦文(1969年7月 石原画廊・大宮)

宇田川君は芸大小磯教室の大学院2年の学生である。学部時代から彼の絵をみていてよく知っている。

彼の絵はどちらかと云えば一見、構成的である様で、彼の詩がその構成を思いもかけない構図に変貌させてしまっていることに気がつくのである。

彼は頑固な詩人である。
画家には二つの型がある。

彼は詩を彼の生活画業のなかに何かの形で持ちつづけているタイプである。
そのつもりでこの個展をご覧になる事は大切なポイントかもしれない。

小磯良平
(当時、東京芸術大学教授・後に文化勲章受章)